はじめに
実家じまいでよく耳にするのが、
「兄弟で意見が合わない」
「誰も動こうとしない」
「結局、一人だけが負担を抱えてしまう」
という話です。
私も兄弟4人で実家じまいを進めていますが、最初から順調だったわけではありません。
約3年間、ほとんど進展がありませんでした。
私たちの実家じまいが約3年間止まっていた理由は、兄弟の仲が悪かったからではありません。
「誰が何を担当するのか」が決まっていなかったからです。
では、なぜ役割が決まっていないと進まないのでしょうか。
それは、誰も責任を持って最初の一歩を踏み出せなかったからです。
「兄が動くだろう。」
「誰かが調べてくれるだろう。」
そんな気持ちがあったわけではありません。
ただ、窓口が決まっていないため、情報を集める人も、専門家へ問い合わせる人も、兄弟へ状況を共有する人もいませんでした。
その結果、「何から始めればいいのか」が分からないまま時間だけが過ぎ、約3年間ほとんど進展しなかったのです。
役割が曖昧だと、
「誰かがやるだろう。」
という状態になりやすく、結果として誰も動けなくなります。
そこで私たちは、それぞれが得意なことを生かして役割を決めました。
その結果、約3年間止まっていた実家じまいが少しずつ動き始めたのです。
今回は、私たち兄弟4人が実際にどのように役割分担をしたのかをご紹介します。
なぜ役割分担が必要だったのか
実家じまいでは、
- 売却
- 墓じまい
- 納骨
- 相続
- 税金
など、考えなければならないことが数多くあります。
これらを一人で進めようとすると、調べることや手続きが多く、時間も負担も集中してしまいます。
一方で、誰が担当するのかを決めないままだと、「これは誰が調べるの?」「問い合わせは誰がするの?」という状態になり、最初の一歩を踏み出しにくくなります。
私たちも、まさにその状態でした。
約3年間、誰かが反対していたわけでも、兄弟仲が悪かったわけでもありません。
ただ、それぞれが「何を担当するのか」が決まっていなかったため、実家じまいはほとんど進みませんでした。
そこで私たちが考えたのは、「一人で頑張る」のではなく、それぞれの得意なことや状況に合わせて役割を分担することでした。
その結果、「誰が何をするのか」が明確になり、止まっていた実家じまいが少しずつ動き始めたのです。
私たち兄弟4人の役割
長男
兄には、
- 相続登記に関する手続きや司法書士とのやり取り
- 納骨堂探し
を担当してもらっています。
なぜ兄だったのか
父が亡くなったあと、実家と土地の相続登記は兄が中心となって進めていました。
そのため、司法書士とのやり取りや、相続登記に関する経緯を一番把握していたのも兄です。
もし私が最初から引き継ごうとすれば、それまでの経緯を一から確認する必要があり、かえって時間がかかっていたと思います。
また、墓じまい後は、父の遺骨を鹿児島市内の納骨堂へ移す予定です。
兄は鹿児島市に住んでいるため、現地で納骨堂を見学したり、管理者へ相談したりしやすい環境にありました。
そのため、相続登記に関する手続きはこれまでの流れを生かし、納骨堂探しは現地で動きやすいという、それぞれの事情を踏まえて兄に担当してもらうことにしました。
長女・次女
長女と次女には、重要な場面で意見をもらうことを中心にお願いしています。
また、墓じまい当日の立ち会いや、自宅内の整理など、女性ならではの視点が生かせる場面で協力してもらう予定です。
なぜその役割にしたのか
長女と次女は、それぞれ家庭を持ち、嫁いでいます。
そのため、実家じまいのたびに頻繁に動いてもらうことは、大きな負担になってしまいます。
だからといって、だからといって、実務を兄と私だけで進めてしまうと、「後から聞いていない」「そんな話は知らなかった」という行き違いが生まれるかもしれません。
「後から聞いていない」「そんな話は知らなかった」という行き違いが生まれるかもしれません。
そこで私たちは、日常的な手続きや問い合わせは担当者が進める一方で、売却や納骨など大切な節目では兄弟4人で情報を共有し、意見を確認しながら進める形にしました。
また、墓じまい当日の立ち会いや、自宅の整理などは、女性ならではの気づきや視点が役立つ場面もあります。
それぞれの生活を大切にしながら、必要なところで力を合わせる。
それが、私たち兄弟にとって無理なく続けられる役割分担だと考えています。
私(コージリ)
私は、実家じまい全体の窓口を担当しています。
具体的には、
- 情報収集
- 空き家マッチングサイト「家いちば」とのやり取り
- 売却資料の作成
- 兄弟への情報共有
- 売却に関する経費管理
などです。
なぜ私が担当したのか
私は約17年間、ネットビジネスに携わってきました。
その中で、必要な情報を調べて整理し、文章にまとめたり、相手とやり取りを重ねながら物事を進めたりする経験を積んできました。
また、兄弟の中では私が一番年下ということもあり、比較的フットワークが軽く、新しいことにも積極的に取り組めます。
実家じまいを進めるには、多くの情報を集め、比較し、その内容を兄弟へ分かりやすく伝える役割が欠かせません。
そうした私の経験や強みを生かせると考え、私から役割分担を提案し、兄弟全員の了承を得て、実家じまい全体の窓口を担当することになりました。
なぜ兄弟で揉めなかったのか
実家じまいでは、お金や相続が関わるため、兄弟で意見が食い違ったり、トラブルになったりするケースも少なくありません。
私たちも、「兄弟だから大丈夫」と考えていたわけではありません。
むしろ、お金や財産が関わるからこそ、誤解が生まれないように意識していました。
そこで私たちが大切にしたのが、情報を一人で抱え込まないことです。
例えば、
- 誰が何を担当しているのか
- 司法書士や関係先とどのようなやり取りをしたのか
- 売却活動はどこまで進んでいるのか
- どのような回答が返ってきたのか
- 何にいくら費用がかかったのか
こうした内容は、できるだけ兄弟全員で共有するようにしました。
そのために、私たちは兄弟4人だけのグループLINEを作り、実家じまいに関する連絡は基本的にそこで共有しています。
新しい動きがあれば、その都度報告する。
判断が必要なことがあれば、そこで意見をもらう。
一人ひとりに同じ内容を何度も連絡する必要がなくなり、全員が同じ情報を確認できる環境ができました。
なぜ情報共有が大切なのか
実家じまいで一番避けたいのは、
「そんな話は聞いていない。」
「あとから知った。」
という状態です。
たとえ担当者が良かれと思って進めたことであっても、情報が共有されていなければ、不信感につながることがあります。
だからこそ、担当者だけが情報を持つのではなく、兄弟全員が同じ情報を見られる状態を意識しました。
私たちの場合、グループLINEでの情報共有を続けたことで、「今どこまで進んでいるのか」が全員に見えるようになり、安心して実家じまいを進められていると感じています。
また、お金に関することは、できるだけ見える形で管理することも心掛けました。
実家じまいでは、交通費や宿泊費、書類の取得費用など、さまざまな経費が発生します。
そこで私は兄弟へ提案し、実家じまい専用の経費管理表を作成して、支出が発生するたびに内容を記録・共有することにしました。
さらに、これらの経費は、実家が売却できた際に、売却代金から返還するというルールについても兄弟全員で合意しました。
もちろん、これは「売却できたら」という前提の話です(笑)。
それでも、事前にルールを決めておくことで、「誰がどれだけ負担したのか」が曖昧にならず、安心して実家じまいを進められるようになりました。
まとめ|役割分担だけでなく、安心して進められる仕組みをつくることが大切
実家じまいで大切なのは、兄弟全員が同じだけ動くことではありません。
それぞれの得意なことや住んでいる場所、家庭の事情を考えながら、「誰が何を担当するのか」を決めることです。
私たち兄弟4人も、相続登記や納骨堂探し、売却活動、情報収集など、それぞれの状況に合わせて役割を分担しました。
さらに、兄弟4人だけのグループLINEで情報を共有し、経費も記録・公開することで、「誰が何をしているのか」「どこまで進んでいるのか」が全員に分かるようにしました。
また、実家の売却活動で発生した経費についても、売却が成立した際には売却代金から返還するというルールを事前に兄弟全員で確認しています。
もちろん、これは無事に売却できた場合を前提とした取り決めです。
それでも、あらかじめルールを決めておくことで、お金に対する不安や誤解を減らし、安心して実家じまいを進められる環境をつくることができました。
約3年間止まっていた実家じまいが動き始めたのは、特別な方法があったからではありません。
役割を決め、情報を共有し、誰もが安心して参加できる仕組みを整えたこと。
それが、私たち兄弟にとって最も大きな転機だったと感じています。
もしこれから兄弟で実家じまいに向き合う方がいれば、「誰がどれだけ働くか」を考える前に、「どうすれば全員が安心して進められるか」という視点で役割やルールを話し合ってみてはいかがでしょうか。