はじめに
「実家じまいを始めなければ…。」
そう思いながらも、何年も進まない。
そんな悩みを抱えている方は、決して少なくありません。
実家じまいには、相続、墓じまい、空き家の管理や売却、家財整理など、多くの課題が重なります。
しかも、一人で決められることはほとんどなく、兄弟や親族との話し合いも必要になります。
その結果、「何から始めればいいのか分からないまま時間だけが過ぎてしまう」というケースも珍しくありません。
実は、私たち兄弟4人もまさしくそうでした。
母が亡くなってから約3年間、実家じまいはほとんど進んでいませんでした。
この記事では、実際に私たち兄弟が経験した「実家じまいが止まってしまった理由」と、「動き始めたきっかけ」を実体験をもとにお伝えします。
実家じまいは「やること」が多すぎる
実家じまいという言葉から、多くの人は「家を片付けること」を想像するかもしれません。
しかし、実際にはそれだけではありません。
例えば、
- 相続の手続き
- 墓じまい
- 空き家の管理
- 売却方法の検討
- 名義や税金の確認
- 家財道具の整理
- 親族との話し合い
など、一つ終わればまた次の課題が現れます。
しかも、それぞれが別々の問題ではなく、互いに関係しています。
墓じまいが終わらなければ家のことに集中できないこともあります。
売却方法が決まらなければ家財整理の時期も決められません。
そのため、「どこから手を付ければいいのか分からない」という状態になりやすいのです。
実家じまいが進まない理由は、一つではありません。
相続の問題、兄弟間の話し合い、空き家の管理、墓じまいなど、それぞれ事情は異なります。
私たち兄弟の場合は、「やることが多すぎて、何から手を付ければいいのか分からない」。それが、3年間止まっていた一番の理由でした。
兄弟仲が良くても止まる
実家じまいが進まない理由として、「兄弟間のトラブル」を思い浮かべる人も多いでしょう。
もちろん、そのようなケースもあります。
しかし、私たち兄弟は違いました。
仲が悪かったわけではありません。
むしろ、「何とかしなければ」という気持ちは、みんな持っていました。
それでも、約3年間ほとんど進みませんでした。
なぜか。
理由は、とてもシンプルです。
「誰が中心になって進めるのか」が決まっていなかったからです。
実家じまいは、話し合うだけでは前へ進みません。
問い合わせをする人。
資料をまとめる人。
連絡を取る人。
判断材料を集める人。
そして、兄弟の意見を整理し、全体を前へ進める人。
こうした役割を誰が担うのかが曖昧なままだと、それぞれが「誰かが動くだろう」と考えてしまいます。
決して無責任だったわけではありません。
むしろ、兄弟全員に関わる大切な問題だからこそ、自分一人の判断で進めることに遠慮もありました。
その結果、誰も最初の一歩を踏み出せないまま、時間だけが過ぎていったのです。
私たち兄弟の場合、実家じまいが動き始めたのは、兄弟仲が変わったからではありません。
「兄は墓じまい」「私は空き家売却」というように、それぞれの役割が明確になり、自分が責任を持って動く範囲がはっきりしたこと。
それが、止まっていた実家じまいを前へ進める大きなきっかけになりました。
実家じまいは、「みんなでやる」だけでは前へ進みません。
「誰が、何を担当するのか」を決めること。
私たちは、その大切さを実体験を通して学びました。
動き出したきっかけ
私たちが向き合うことになったのは、鹿児島県・種子島にある実家です。
実家じまいが動き始めたきっかけは、母の一周忌でした。
兄弟4人が集まり、このままでは何も変わらないという共通認識を持つことができました。
そこで、それぞれが担当する役割を明確にすることにしました。
兄は納骨堂の手続きを担当。
姉たちは必要に応じた協力。
そして私は、墓じまいと空き家売却の窓口を担当することになりました。
役割が決まると、それまで止まっていた実家じまいは、不思議なほど少しずつ動き始めました。
それは、誰かが急に頑張るようになったからではありません。
「自分が何をすればいいのか」が明確になったことで、それぞれが迷わず行動できるようになったからです。
私が最初に取り組んだのは、「どうやって家を売るか」を考えることでした。
まずは、不動産会社に依頼する方法だけではなく、空き家専門のマッチングサイトなども含めて比較・検討しました。
その結果、私たちは「家いちば」というマッチングサイトを利用することに決めました。
次に考えたのは、掲載文をどう書くかです。
最初は、築年数や間取りなど、物件情報を並べればよいと思っていました。
しかし、それだけでは、この家の魅力は十分に伝わりません。
この家ならではの価値は何だろう。
そう考えたとき、まず思い浮かんだのが「種子島で暮らす」という環境そのものでした。
そこで発想を変えました。
この家の価値を考えたとき、私たちが売りたかったのは建物だけではありませんでした。
種子島で暮らす時間そのものです。
海まで歩いて行ける環境。
ゆっくり流れる島時間。
古い家だからこそ、自分らしく手を加えながら暮らせる楽しさ。
そんな未来を想像してもらえる文章へと、何度も書き直しました。
振り返ると、この考え方は特別なものではありませんでした。
私は17年間、ネットビジネスを通してマーケティングやライティングを学んできました。
商品やサービスを紹介するときも、最初に考えるのは「誰に届けるのか」です。
その相手が見えて初めて、伝える言葉や見せ方が決まります。
実家の売却も同じでした。
売るものが商品から一軒の家に変わっただけで、本質は何も変わらなかったのです。
実家じまいで大切だと感じたこと
今回、実家じまいを進める中で、私が一番強く感じたことがあります。
それは、
「課題は、動いてから見えてくる」
ということです。
私たち兄弟も、約3年間ほとんど動けませんでした。
当時は、「もっと準備が整ってから」「もう少し考えてから」と思っていました。
しかし実際に動き始めると、準備をして終わりではありませんでした。
空き家をどう売るのか。
どの方法を選ぶのか。
掲載文をどう書くのか。
価格はどう設定するのか。
問い合わせが来たら、どう対応するのか。
一つ課題を解決すると、また次の課題が見えてきます。
最初は、「こんなに決めることがあるのか」と戸惑うこともありました。
それでも、不思議と不安は以前より小さくなっていました。
なぜなら、課題が見えているということは、それだけ前へ進んでいる証拠だったからです。
止まっていた3年間は、大きな問題が起きなかったわけではありません。
動いていなかったから、新しい課題に出会うこともなかったのです。
だから私は今、実家じまいは「すべて準備が整ってから始めるもの」ではないと考えています。
まず一歩踏み出す。
すると、次にやるべきことが見えてくる。
その積み重ねが、少しずつ実家じまいを前へ進めてくれました。
この経験は、空き家売却だけではなく、墓じまいや相続など、実家じまい全体にも共通することだと感じています。
まとめ
実家じまいが進まない理由は、本当に人それぞれです。
相続のこと。
空き家のこと。
墓じまいのこと。
兄弟との話し合い。
どれも簡単に答えが出る問題ではありません。
私たち兄弟も、「何とかしなければ」と思いながら約3年間動けずにいました。
しかし、役割を決め、それぞれが自分の担当を持ったことで、止まっていた実家じまいは少しずつ動き始めました。
そして、実際に動き始めて分かったことがあります。
それは、すべての課題を解決してから前へ進むことはできないということです。
一歩踏み出すから、次の課題が見える。
その課題を一つずつ乗り越えるから、また次へ進める。
実家じまいとは、その繰り返しなのだと、私は今回の経験を通して感じました。
もし今、実家じまいが進まず悩んでいる方がいるなら、最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。
まずは家族で話し合うことでも、情報を集めることでも構いません。
その小さな一歩が、止まっていた時間を動かすきっかけになるかもしれません。
この連載では、これからも兄弟4人で進めている実家じまいの実体験を、そのまま記録していきます。
うまくいったことだけではなく、迷ったことや悩んだことも含めて発信していくことで、これから実家じまいに向き合う方の参考になれば幸いです。
実家じまいの実践記録をPDFにまとめました
今回ご紹介した内容は、兄弟4人で実際に進めている実家じまいの一部です。
空き家売却の進め方や掲載文の考え方、価格設定、問い合わせ対応など、実際に経験したことを時系列でまとめています。
実体験だからこそ分かったことや、迷いながら判断したことも、そのまま記録しました。
これから実家じまいに向き合う方が、遠回りせずに進めるための参考資料として、お役立ていただければ幸いです。
もしいま、実家じまいや空き家の売却などを考え中の方には、参考になるのではないか・・・と思っています。
ぜひご覧ください。