はじめに
実家じまいを始めようと思っても、
「何から手を付ければいいのか分からない。」
「まず片付けを始めればいいの?」
「それとも相続の手続きが先?」
そんな疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。
私自身も、母が亡くなったあと兄弟4人で実家じまいに向き合うことになりましたが、最初は何から始めればいいのか全く分かりませんでした。
しかも、私たちの実家じまいは約3年間ほとんど進んでいない状態でした。
しかし、闇雲に動くのではなく、「最初に何を確認すべきか」を一つずつ整理していくことで、止まっていた実家じまいが少しずつ動き始めたのです。
私が最初に確認したのは、次の5つでした。
- 相続人全員の考えを確認する
- 家や土地の名義を確認する
- 必要な書類を整理する
- 実家をどうするか方向性を決める
- 相談先を比較して決める
実家じまいは、最初に何を確認するかで、その後の進めやすさが大きく変わります。
この記事では、私が実際に経験した5つの確認事項をもとに、実家じまいを始める前に、まず確認しておきたい5つのポイントを順番にご紹介します。
① 相続人全員の考えを確認する
実家じまいは、一人の判断だけで進められるものではありません。
家や土地は相続人全員に関わる財産です。そのため、「売却するのか」「残すのか」、そして「誰が中心になって進めるのか」という方向性を、最初に共有しておくことが大切です。
私たちも兄弟4人で話し合いましたが、最初から役割が決まっていたわけではありません。
約3年間ほとんど進展がない状況が続いていたため、「このままでは前に進まない」と感じた私は、母の一周忌を機に役割分担を提案しました。
私は情報収集や文章でのやり取りを得意としていたことから、実家じまい全体の窓口を担当し、兄には納骨堂探しを担当してもらうことにしました。
それぞれが得意なことを分担し窓口を一本化したことで、「誰が何をするのか」が明確になり、止まっていた実家じまいが少しずつ動き始めました。
実家じまいでは、何をするかだけでなく、誰が担当するのかを決めることも、最初の大切な一歩だと実感していました。
② 家や土地の名義を確認する
実家じまいを進めるうえで、早い段階で確認しておきたいのが、家や土地の名義です。
「親が住んでいた家だから、家族で話し合えば進められるだろう」
そう思っていても、現在の名義が誰になっているのかによって、売却や各種手続きの進め方は変わってきます。
私の父が亡くなったのは、今から約25年前です。
その後、実家と土地は母名義になっていましたが、約4年前、母が施設に入っていた頃に、母名義から兄名義へ変更する手続きが行われていました。
その際、兄弟4人にも関係書類が送られ、私も署名して返送していました。
ただ、年月が経っていたこともあり、今回の実家じまいを始めるまで、私自身、その手続きの内容をはっきり覚えていませんでした。
そこで改めて確認したところ、現在は実家と土地の両方が兄名義になっていることが分かりました。
名義を確認せずに、「たぶん母名義のままだろう」「兄弟全員の共有だろう」と思い込んでいたら、その後の手続きで混乱していたかもしれません。
実家じまいでは、記憶だけで判断せず、登記や関係書類を確認して、現在の名義を正確に把握することが大切です。
③ 必要な書類を探す
書類は、手続きを始めてから慌てて探すのではなく、早めに整理しておくことをおすすめします。
例えば、
- 登記関係の書類
- 固定資産税の納税通知書
- 相続に関する書類
などです。
前章でお伝えした相続関係の書類を確認したところ、遺産分割協議書も保管されていました。
この協議書には、当時の相続割合や、その後の財産の取り扱いについて兄弟全員で合意した内容が記載されていました。
ただ、約4年前に作成された書類だったため、「現在の実家売却でも有効なのだろうか」という不安がありました。
そこで司法書士に確認していただいたところ、現在でも有効な内容であることが分かり、安心して手続きを進めることができました。
④ 実家をどうするか選択肢を整理する
実家じまいといっても、
選択肢は一つではありません。
例えば、
- そのまま住む
- 賃貸に出す
- 売却する
- 空き家として管理する
など、いくつかの方法があります。
私たち兄弟も、実家を残すのか、それとも売却するのかを何度も話し合いました。
兄弟4人とも実家へ戻って住む予定はなく、このまま所有し続ければ、空き家の管理や固定資産税などの負担も続きます。
一方で、この家には家族の思い出がたくさん詰まっています。「ただ手放せばいい」という気持ちにはなれませんでした。
生前、母は「この家が誰かの役に立ってくれたらうれしいね」と話していました。
その言葉も一つの支えとなり、私たちは「大切に住み継いでくださる方へ引き継ぐ」という思いで、売却する方向で意見が一致しました。
⑤ 誰に相談するか決める
実家じまいでは、内容によって相談する相手や進め方が変わります。
例えば、
- 司法書士(相続や登記)
- 税理士(税金)
- 不動産会社(仲介による売却)
- 空き家マッチングサイト(個人間売買)
など、それぞれ役割が異なります。
私自身も、実家をどのような方法で売却するのがよいのか、不動産会社への仲介依頼や空き家マッチングサイトなど、複数の方法を比較しました。
その中で私たちが大切にしたのは、「できるだけ高く売ること」だけではありません。
母が生前よく話していた、
「この家が誰かの役に立ってくれたらうれしいね。」
という言葉も、私たちが売却方法を考えるうえで大切な判断材料になりました。
その結果、私たちの実家は「この家を大切に住み継いでくださる方へ直接思いを届けたい」という考えに合っていたため、現在は空き家マッチングサイト「家いちば」を利用して売却活動を進めています。
実家じまいでは、一つの方法だけを見るのではなく、それぞれの特徴を比較したうえで、自分たちの考え方や状況に合った方法を選ぶことが大切だと実感しました。
まとめ|実家じまいは、最初の整理がその後を大きく左右する
実家じまいというと、家の片付けや売却から始まるイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、私が実際に経験して感じたのは、最初に何を確認し、何から手をつけるかを整理することが、その後の進み方を大きく左右するということでした。
兄弟で役割を決めること。
家や土地の名義を確認すること。
必要な書類を探し、専門家に確認すること。
そして、家族に合った進め方を比較しながら選ぶこと。
一つひとつは決して派手な作業ではありませんが、この積み重ねが、約3年間止まっていた実家じまいを少しずつ前へ動かしてくれました。
これからの連載では、実家の売却、墓じまい、納骨、相続など、私たち兄弟が実際に経験したことを、その時々の迷いや判断も含めて、ありのままお伝えしていきます。
実家じまいには、それぞれの家庭ごとに事情があり、正解は一つではありません。
だからこそ、この連載が「こういう進め方もあるんだ」と考えるきっかけになり、今まさに実家じまいに向き合っている方の道しるべになれば、これほど嬉しいことはありません。
実家じまいの実践記録をPDFにまとめました
今回ご紹介した「実家じまいを始める前に確認した5つのこと」も、実際に兄弟4人で進めている実家じまいの経験から得られた内容です。
空き家売却の進め方や掲載文の考え方、価格設定、問い合わせ対応など、実際に経験したことを時系列でまとめています。
実体験だからこそ分かったことや、迷いながら判断したことも、そのまま記録しました。
これから実家じまいに向き合う方が、遠回りせずに進めるための参考資料として、お役立ていただければ幸いです。
もし今、実家じまいや空き家の売却を考えている方には、きっと参考になる内容だと思います。